「広いリビングで家族とゆったり過ごしたい」——そう思って家を建てたAさん。
しかし、ある日テレビで大地震のニュースを見て、不安がよぎりました。「うちのリビング、大丈夫なのかな?」と。
実は、広いリビングを作ることで耐震性が低下することがあるのです。

開放感があり、家族が集まりやすい広いリビングは、多くの人が憧れる間取りのひとつです。しかし、設計の仕方によっては家全体の耐震性に悪影響を与えることも。
今回は、広いリビングを設計する際に考慮すべき耐震リスクと、それを回避するための4つの安全ポイントについて解説します。
1. 耐力壁(地震の揺れに耐える役割を持つ壁)の不足に注意
大規模地震が発生した場合、耐力壁の少ない広いリビングでは建物が大きく変形し、最悪の場合は倒壊のリスクが高まります。
特に、開放的な空間を確保するために壁を極端に減らすと、揺れの影響が直に建物全体に及びます。
特に、2025年以降の建築基準法改正では、耐震基準がさらに厳しくなることが予想されており、従来の耐震等級3でも新たな基準に適合しない可能性があります。
そのため、これまで以上に慎重な設計と補強が求められます。
耐力壁は、建物のバランスを取るために不可欠です。
壁を減らすことで、建物全体の剛性が低下し、地震の揺れに弱くなります。

対策方法
✅️耐震対策の費用目安を確認する
耐力壁の追加や制震ダンパーの設置にかかるコストの目安を把握し、予算計画を立てる。
✅️最適な施工方法を選ぶ
設計段階で建築士や耐震専門家と話し合い、自宅に適した耐震補強を検討する。
✅️最新の耐震基準を考慮する
設計時に耐震等級3(最高ランク)を確保できるようにする。
✅️適切な耐力壁の配置
リビングの開放感を損なわない範囲で耐力壁をバランスよく配置する。
✅️構造計算を実施
建築士や工務店と相談し、壁の配置と耐震性を考慮した設計を行う。
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耐震等級3について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください👇
2. 梁と柱の強度を確保する
東日本大震災や能登半島地震の際、多くの建物で梁や柱の破損が確認されました。
特に広いリビングでは支えとなる壁が少ないため、梁と柱が建物全体を支える重要な役割を果たします。
そのため、強度が不足すると、大きな揺れが発生した際に建物が倒壊する危険性が高まります。
広いリビングでは、壁の代わりに柱や梁で建物を支えることになります。
しかし、柱や梁の強度が不十分だと、地震時に大きな揺れが発生し、倒壊のリスクが高まります。

対策方法
✅️太くて強度の高い梁を使用する
特に大空間を確保する場合は、十分な強度を持つ梁を採用。
✅️適切な柱の配置
柱の間隔を広げすぎると耐震性が低下するため、設計時にバランスを考慮。
✅️鉄骨梁や集成材の活用
木造住宅でも鉄骨梁を組み合わせることで、強度を向上させることが可能。
石田屋のテクノストラクチャー工法は木の梁に鉄を組み合わせ強度を高めた「テクノビーム」を使い、梁と柱との接合部にも金具を用いて、家の骨格を強化しています。最高等級の耐震性能を数字で示して、確かな安全性を実現しています。
3. 屋根や2階の荷重バランスに配慮
能登半島地震では、上階の重量バランスが崩れた建物が多数倒壊しました。
リビングを広く設計することで1階部分の壁が減るため、2階部分の重量を適切に分散させないと、地震時に1階部分が押しつぶされる可能性があります。
リビングを広くすると、その分、建物のバランスが崩れやすくなります。
特に、2階建ての場合、2階部分の荷重が偏ると耐震性が低下する原因になります。

対策方法
✅️2階の間取りを均等に設計
1階のリビング部分だけが広すぎると、上部の荷重バランスが悪くなる。
✅️軽量な屋根材を採用
屋根の重量を抑えることで、地震時の揺れを軽減。
✅️構造計算を徹底
設計段階で建物の重心と耐震性を確認し、最適なバランスを取る。
2階建ての木造住宅は、構造計算が義務付けられていません。しかし石田屋では、すべての家に厳しい「構造計算」を義務付け、独自の「自動躯体設計システム」で一棟ごとに災害シミュレーションを実施しています。

4. 制震・免震技術を導入する
耐震対策を施した実際の住宅事例を見て、どのような補強が有効だったのかを把握することも重要です。
例えば、震災後に耐震補強を施した住宅では、制震ダンパーの追加や免震装置の導入によって揺れを50%以上軽減したケースもあります。

近年の大地震では、制震・免震技術を導入している建物の被害が軽減されたケースが多く報告されています。
例えば、東日本大震災の際に免震構造を採用した建物では、揺れが大幅に軽減され、被害を最小限に抑えることができました。
耐震性能を高めるためには、制震や免震の技術を取り入れるのも有効な方法です。これらの技術を活用することで、広いリビングでも安全性を確保できます。

対策方法
✅️制震ダンパーを設置
揺れを吸収する装置を設置することで、建物全体の耐震性能を向上。
✅️免震構造を採用
建物の基礎部分に免震装置を設置し、揺れそのものを軽減。
✅️耐震補強を考慮
将来的なリフォームで耐震補強ができるように、設計時から準備しておく。
石田屋の耐震工法は耐震性にすぐれたテクノストラクチャー工法に、制震システム「テクノダンパー」を建物の骨組みに組み込んでいます。大地震相当の負荷を100回以上繰り返し加えても制震機能を維持。繰り返しの揺れにも対応し、さらなる安心をプラスした「制震システム」です。
まとめ
広いリビングは快適で魅力的ですが、耐震性を確保しなければ地震時に大きなリスクを伴います。
耐力壁の確保、梁や柱の強化、荷重バランスの調整、制震・免震技術…
家づくりの際は、デザインだけでなく構造の安全性にも目を向け、専門家と相談しながら慎重にプランを立てましょう。
オネスティーハウス石田屋では、全てが叶う安全で快適な住まいを提供できます。
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